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2021.02.26 競技サポート

ヴァーチャル自転車レースにおける謎を検証!【卒業研究紹介①】

本日から、スポーツ科学センターの測定施設インスパイアを活用した卒業研究をピックアップしてご紹介していきます。第1回は、田中耕作助教が指導した白川幸希君(体育学科4年・倉敷古城池高)の研究です。

プロ自転車選手としてJプロツアー(https://jbcfroad.jp/jprotour/)にも参戦している白川君は、コロナ禍の中で行われたオンラインでのヴァーチャルレースにおいて、ロードレースでは絶対に負けない一般レーサーに負けてしまう現象から、固定ローラーでの走行時(写真左)とロード走行時の筋活動の違いに興味を持ちました。

実験では、インスパイア内での固定ローラーでの走行と、大学付近の車通りの少ない道路での実走行における全身の筋活動を無線式の筋電図計測システムを用いて測定しました。この筋電図計測システムを用いることで、競技動作をほとんど邪魔されることなく筋の活動を評価することができます。

その結果は、固定ローラーでの走行では、ハムストリングスを構成する大腿二頭筋の活動が実走行より極めて高い活動を示した一方、上半身の非常に大きな筋である広背筋はほとんど活動していないことを示していました。上半身も使ったダイナミックなペダリングで好成績を収めてきた白川君にとって、上半身の筋を動員できない固定ローラーでの走行ではトレーニングで鍛えてきた筋をフルに使いきれなかったことがヴァーチャルレースで成績を残せない要因であることが分かりました。

白川君は、この春から、田中先生が大学院時代を過ごした鹿児島県鹿屋市を拠点に活動する「シエルブルー鹿屋」に移籍し、競技を継続します。卒業研究を通して自転車を科学的に見る能力も身につけた白川君の今後の活躍にご注目下さい。

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