2021年度体育学部体育学科「卒業研究」にて,【男子剣道部】をテーマにした研究になります.
剣道のパフォーマンス向上や怪我の予防および,普及に対して有意義な研究となりました.
ぜひ,概要を読んでみてください‼
1. 蛯原利騎 「五輪書の教えが現代剣道に与える影響―基本動作の比較―」(左上図)
(担当教員:平田)
本研究では,宮本武蔵の「五輪書」において記されている内容が現代剣道にもよき伝統文化として影響を与えているのかどうか明らかにしたいと考え,剣道の基本動作である,姿勢,目付,竹刀の持ち方,脚の使い方,構え,竹刀の振り方を中心に調査した.その結果 ①姿勢,目付,竹刀の持ち方,構え,竹刀の振り方では,五輪書の教えが現代剣道に影響を与えていることが明らかになった.②現代剣道では,試合に勝つことが目的になっている部分もあるため,脚の使い方で足さばきの方法も変化しているなど,それぞれ必要な形式を重視している選手もいることが明らかになった.
2. 藤橋昂己 「剣道選手における試合前の心理状態の一考察」 (左下図)
(担当教員:平田)
本研究の目的は,全国トップレベル剣道競技者と,それ以外の剣道競技者の試合前における心理状態に違いがあるのか否かを,大学生剣道競技者を対象として明らかにすることであった.その結果,トップレベルの競技者はそうでない競技者に比べて,「忍耐力」,「闘争心」,「勝利意欲」が高い傾向がみられ,トップレベルの競技者は試合に自信をもって臨んでいることが明らかになった.
3. 山下悠渡 「剣道選手のスポーツ外傷について」 (右上図)
(担当教員:平田)
本研究の目的は,学生剣道選手を対象に,剣道競技における怪我の起こりやすい部位や原因を明らかにすることにより,効率よく怪我が起こりにくい新たな指導法を考察することであった.その結果,本研究で対象とした対象者は,アキレス腱を痛める経験を持つ選手がほとんどであった.剣道は全身運動であるが,構えや足構えが基本で決まっているため,身体の同じ箇所に負担がかかりやすい.従って,左右対称になる新しい構図や状態を作りだすことによって,怪我の発生頻度を減らすことが出来,剣道の理念にある「生涯剣道」に寄り添った文化を作ることが出来るのではないかと考得られた.
4. 西條賢太 「剣道が大学生の学習規律に及ぼす影響」 (右下図)
(担当教員:平田)
本研究は,武道が学習指導要領で必修化されたことを受け,剣道が学校生活の中の学習規律においてどのような影響を与えるのかを,大学生を対象に検討することを目的に研究を行った.その結果,今回の大学生を対象者にアンケートを実施したが,明確な違いは見られなかった.本研究で明らかになったことや研究に取り組む中で,今後条件や方法に改善すべき点が明らかになった為,視点を変えて剣道と教育がどういった繋がりがあるのかを引き続き検討していきたい.
これらの研究は,自ら仮説を立てて,データや調査を行い,実証していきます.
体育学科では,自分の所属する部活動を対象とした研究を進める事ができます.
卒業研究はその集大成です!
パフォーマンスを高めたい選手は,いつも練習やトレーニングで行っていることかもしれません.
その自分の知見を後輩たちや未来のアスリート達へ伝えていきませんか.
どんなことができるのか?!を知りたい方は,ぜひ大学へお越しください.
(作成 体育学科 田中耕作)