Q.監督が試合中にイヤホンやタブレットを使っているけど、何をしているの?
Q.監督が試合中にイヤホンやタブレットを使っているけど、何をしているの?
A. ゲーム分析を行なっています.ゲーム分析とは、試合における選手やチームのパフォー
マンスを数値やグラフで表すことです.これにより,相手のウィークポイントや自チームのストロングポイントを客観的かつ根拠を持って説明することができ,監督や選手の意思決定の手助けをすることが出来ます。
競技種目や監督の考えるゲーム観によって分析項目は異なりますが,スタッツと呼ばれるものが映し出されています.例えば,シュートが60%成功している,ミスの確率が10%増えている,またチームによっては選手にGPSなどのデバイスを装着させ,選手個人のスプリント回数や走行距離や,心拍数などを計測することが出来ます.つまり選手の「頑張り」や「疲労度」を数値化することができ,選手の評価や交代などの指標になります。
また対戦相手のデータも同時に分析しています。例えば、相手の「No.7」のサーブは80%の確率で右の奥側を狙ってくる。このようなデータがあれば、試合中に相手チームより優位にゲームを進行することができるかもしれません。
このように自チームまたは相手チームの特徴を数値やグラフなどを使ってサポートする職業を「スポーツアナリスト」と呼びます。スポーツアナリストの役割は「選手及びチームを目標達成に導くために、情報戦略面で高いレベルでの専門性を持ってサポートする職業」であり、データ収集・分析を元にした戦略がチームの勝敗を左右することもあります。選手個人やチームが必要とする情報をいかに最適な形にして提供できるかがスポーツアナリストの重要な仕事になります。
数値やデータを使うと聞くと、「難しそう」と感じるかもしれませんが、身近なデータを取ることは誰にでも可能です。例えば、毎日のシュート練習で今日は10本中3本ゴールを決めた!これを毎日記録すれば、一週間で70本のデータが集まります。そのデータを元に「どういう時にゴールできるのか」「どういった時は外れる」といった根拠が自身のプレーを支えることになっていきます。
現在IPUではIPUスポーツアナリストチーム「Team of Sports Analyst for IPU<呼称:TSA(ティーサ)>」を発足させ、IPU体育会各部を情報戦略の側面で支援する組織が活動しております。「科学で強くなる」をコンセプトに分析データを上手く利用し、選手やチームのパフォーマンスに貢献し、どこにもないサポートを進めております。
また、10月25日(日)にはオープンキャンパスが開催されます!是非、ご参加ください!https://ipu-japan.ac.jp/opencampus/
スポーツに関する疑問・質問は以下のフォームから受付中です!
https://iss-ipu.jp/cgi/web/index.cgi?c=contact-1
IPU・環太平洋大学体育学部公式チャンネル
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(この記事はIPUスポーツ科学センター研究員・仙波慎平が担当しました。)