お知らせ

2021.03.07 競技サポート

股関節障害の既往者におけるランニング動作を解明 【バイオメカニクスサポート③】

バイオメカニクスサポートプロジェクトの取り組みをご紹介するシリーズの第3回は、東京ヴェルディアカデミーのフィジカルアドバイザーも務める江波戸智希助教による股関節障害の経験を持つアスリートにおけるランニング動作の特徴を明らかにする取り組みです。

この実験は、環境制御室内のフォースプレート内蔵トレッドミルを用いて、本学のサッカー選手および陸上競技・中距離選手を対象に行われました。彼らに、トレッドミル上で一定速度でのランニングを行わせ、その動作を3次元動作解析システム(モーションキャプチャーシステム)で撮影し、分析しました。

その結果、股関節障害を経験したことのある者は骨盤の傾きや接地の位置に特徴があることが分かりました。江波戸助教は「これらの特徴が分かることで、股関節障害を抱えている選手に対して処方すべきトレーニングが明確になります」と、この取り組みの主旨について話します。これまでに股関節障害を患った多くのサッカー選手を競技復帰させてきた江波戸助教にとって、この研究は、そのリハビリの精度をより高めるための貴重な知見となるようです。

バイオメカニクスサポートプロジェクトでは、今後も、3次元動作解析システムを用いてスポーツ選手の動作の特徴を明らかにし、パフォーマンス向上およびケガの予防をサポートしていきます。

※ 本実験結果は江波戸助教により、日本アスレティックトレーニング学会学術大会にて発表されました。