スポーツ科学センター(INSPIRE)を活用した「運動生理学実習」がスタートしました。
この科目は、身体運動に伴う各器官(運動器系、神経-筋骨格系、呼吸器系、循環器系)の生理応答や身体機能を測定・評価する方法を学ぶ実習科目です。4月23日に行われた最初の対面授業は、黒川隆志先生(学長補佐)による講義「運動生理学測定法の歴史的変遷ー酸素摂取量の測定を例にしてー」でした。
講義では、黒川先生がアメリカに留学されていた際におこなったダグラスバッグを用いた実験のお話や、ご専門である水泳における呼気ガス分析のお話をいただきました。独自で開発された水泳の呼気を分析するマスク(左写真)についても触れられ、「既成のものを使っている以上、よほどのアイディアがないと良い研究はできない。誰もしない工夫やクリエイトをしていくことが、新しい研究に繋がる」と熱く語られました。
この授業を受講した前角眞和さん(体育学科3年・神戸龍谷高)は「スポーツを科学し研究するということについては、最近注目され始めたように思っていましたが、1920年ごろには既に水泳において酸素摂取量とスピードの関係に関する研究が進められていたと知り、とても驚きました。呼気ガスの量や濃度に関する研究においては、風車を使った装置や熱線を利用した装置、ダグラスバッグを使用した装置など様々な方法で計測することができることを知り、研究の進化を感じました。とても興味深かったです」と感想を述べました。
今後は、早田 剛先生、前川真姫先生を中心に、インスパイア内の様々な測定機器を用いた実習が展開されます。環太平洋大学では、この他にも「体力学実習」、「運動生理学実習」そして「スポーツアナリティクス実習」が開講され、スポーツ科学における実践力を身につけることができます。