環太平洋大学体育学部体育学科で開講されている「スポーツ文化論」(授業担当:高嶋仁・和所泰史・嘉門良亮)は、スポーツを社会的に構築されてきた文化とみる観点から、身近に存在する様々な事象を考えていく授業です。
普段何気なく見聞きしプレイしているスポーツが、なぜ、どのようにして、今現在のような形態、形式となってきたのか、複数の競技種目での差異や歴史的、社会的な変遷なども考慮しながら、「スポーツ」そのものを探求していきます。
今年度は200名を超える履修者数となりましたが、コロナ感染症対策のためオンライン形式と対面形式を併用してのハイフレックス型およびオンデマンド型を組み合わせた授業形式で3名の担当教員がそれぞれの専門的知見を踏まえつつスポーツ文化を解説・論議してきました。
特に高嶋先生は、甲子園での監督通算勝利数が歴代最多の言わずと知れた名将・名監督です。
そのトップレベルの指導実績と経験から語られるスポーツ文化の有様に、学生もまさに釘付けになっていました。
7/13に行われた第13回目の授業はその高嶋先生担当の最終回でした。
授業後の学生のコメントを紹介したいと思います。(皆さん想いの溢れた文章を書いてくださっているので、その中のほんの一部の抜粋になります)
「高嶋先生の担当された全4回の授業を通じて、高校野球は春のセンバツと夏の甲子園で独自の文化を築いているということ、高校野球にとっての甲子園球場という場所の偉大さ、野球を行う者がプロや社会人でなく高校生であるということを踏まえたうえでの文化があるということについて学ぶことができました。」
「選手目線、応援観客目線、メディア目線などでまったく見えているものが違うということがわかったし、それらの性質がバランスよく成り立ちスポーツという一つのものが良くなるのだと学びました」
「毎年生徒が変わっていく中で毎年勝ち続けた高嶋先生の話は勝者のメンタリティにあふれているのではないかと予測していましたが、あの強豪の智辯和歌山でさえ、毎年大人数が入ってくるわけではなく、毎年毎年一からの積み重ねで、他校より2倍も3倍も練習した結果なのだと聞いて、精進、努力がいかに大切か再認識しました。」
「勝ち負けだけでは選手の全ては測れません。それまでに行ってきたトレーニングの数々、流した汗や涙、仲間とのぶつかりなど色んなことを乗り越えて来てそれを表現するのが試合でどんなに頑張ってもその1回きりで全てを語られるのは辛い部分もあります。ですがやはり成績を残さない限りはそこにスポットを当てて貰えない。勝負の世界というものは本当に厳しく辛いものだな、でもそれを超える感動や充実感、達成感があるからこそ野球に限らず全てのスポーツに携わる人達は頑張ってこれたんだろうなと感じました。」
「『甲子園には魔物がいる』『勝っているのに負けているような雰囲気、負けているのに勝っているような雰囲気になる』という解説に加え『だからやっぱり辞められない』という高嶋先生は何よりも第一に高校野球を楽しんでいるのだなと思いました。「スポーツは遊び」という言葉に納得した自分がいました。」
(文責:嘉門)