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2021.12.17 人材育成

授業紹介「保健体育科指導法Ⅳ(実践)」担当:齋藤祐一

中学校や高等学校の保健体育科教員になるためには,その科目を修めた証である免許が必要になります。
そして,その免許は課程認定を受けた大学で授業を受け,単位を修得し,自治体に申請することで,ようやく取得することができます。
ここでご紹介する保健体育科指導法Ⅳ(実践)は,免許法施行規則に定められた「教科及び教科の指導法に関する科目」の中でも「各教科の指導法」に位置付けられる授業です。
つまり,本科目は「保健体育科の学習内容をいかに教えるか?なぜ教えるのか?」といった保健体育科の教師としての在り方を学ぶ授業 です。
本学における保健体育科指導法の授業はⅠ〜Ⅳの4部構成になっており,履修年次はそれぞれ 1年後期,2年前期,2年後期,4年前期に配置されています。これらの目的を平易に表すと,次のようなキャッチフレーズにまとめることができます

Ⅰ:「知る」
Ⅱ:「やってみる」
Ⅲ:「やって,ふり返る」
Ⅳ:「ふり返って,次に活かす」 

体育科教育に関わる基礎理論をⅠで学び,Ⅱで模擬授業に取り組み,Ⅲで授業観察の方法を体得します。
「履修年次に3年が含まれていないのはなぜ?」と思った方もいるかもしれません。
本学の場合,多くの学生が3年次に教育実習を履修するため,それに耐え得る指導力を身につけてほしいという願いがあり,このようなカリキュラムを組んでいます(なお,3年次には教育実習事前・事後指導 ⦅←ここをクリックすると記事がみれます⦆があるため指導に関わる授業が全くないわけではありません)。

Ⅰ〜Ⅲを履修し,教育実習まで終えた学生たちは「これであとは卒業を待つばかり」とはいきません。
教師は人を教える職業ですが,同時に人として学び続ける職業でもあります。「学び続ける教師」像に近づくためには,どうしても「ふり返って,次に活かす」経験が求められるのです。
そこで,保健体育科指導法Ⅳ(実践)では,ただ模擬授業や,その観察をするだけでなく,成果報告会を設定しています。
これは,現場の先生方が日々の授業改善をする営み,すなわち授業研究会に通じる試みです。教育実習後の学生たちの授業改善に対する問題意識は,実習前と比べると雲泥の差です。
授業研究会の何たるかを知るためには絶好のタイミングと言えます。

写真を見ると,体育館でカメラを構えている学生や,何やら一生懸命書いている学生がいることに気づくと思います。
そのようにして授業分析のためのデータを収集し,それからわかったことを教室で報告します。
成果報告会では,発表者から一方通行にならないよう,発表を聞く学生からも意見を求めます。
良い発表をすると,たくさんの反応をもらえます。それを元に次の授業をつくり,そして,再びふり返るのです。このサイクルを回し続けることで「学び続ける教師」に近づけます。

本稿をご覧になっているあなたも,私たちとともに「学び続ける教師」を目指しませんか。