器械運動Ⅰでは、器械運動に関する基礎的な技から発展的な技を身に付けることを目標の1つとしています。
保健体育教員が、自ら師範できるということは、児童生徒の学習意欲を高めることに繋がります。
また、教員が児童生徒の動きを代行し、現在、どのような状態なのか、どこを修正すべきなのかを見せるということも指導においては大切です。
他方、器械運動に関する技術的な内容や段階的な学習方法を理解することも目標の1つです。
技ができれば、見本を示せれば、それでよいというわけではありません。
やはり、指導をするにあたっては、技に対する理解は欠かせません。また、児童生徒の多様な運動経験や運動能力を踏まえ、それぞれの段階に合わせた学習指導ができなくてはなりません。
そのため、この授業では、実技授業と並行してオンデマンド資料を配信して授業を行っています。
また、成績評価にあたっては、実技能力を評価するとともに知識・理解の確認のために小テストも実施しています。
この授業の成績評価の段階から、単に実技ができれば良いというわけではないということを学生に対して示しています。
器械運動は、「できる」、「できない」が顕在化してしまうため、苦手或いは嫌いと感じる児童生徒がいるのが現実です。
そのため、「できる」、「できない」とは異なる次元の評価軸を持ち出すという対応があるのも事実です。
しかし、技ができる喜び、自分の動きの世界が広がる喜びは他に代えがたいものです。
運動が苦手な児童生徒であっても、個別的かつ段階的に学習を行えば、技ができるようになっていきます。
運動が苦手な児童生徒にも器械運動に内在する本質的な楽しさに気づいてほしい、それを気づかせることができる教員を育てたいというのが本授業の願いであります。