IPUスポーツ科学センター心理グループは、岡山県環境文化部スポーツ振興課「令和5年度岡山県つくろう・のばそう!マルチサポートプログラム」の一環として、大安寺中等教育学校フェンシング部へのメンタルトレーニングを実施いたしました。
<第1回:2023年7月>
「自己理解」をテーマに実施いたしました。
これまでにメンタルトレーニングをを受けたことがない参加者がほとんどであったため、
はじめに「緊張とパフォーマンスの関係」「心と科学」など、メンタルトレーニングの基礎基本について説明しました。
続いて、メンタルトレーニングの肝である「自己理解」を促すため、JISS競技心理検査に取り組んでいただきました。
JISS競技心理検査とは、トップアスリートに求められる心理的な能力や態度・行動について、
「自己コントロール」「集中力」「イメージ」「自信」「一貫性」「自己分析力」「客観性」「目標設定」「モチベーション」「生活管理」
といった10の心理面から評価する検査です。
心理検査結果の自己分析では、各参加者が、日頃の練習や試合時の心身の状態、行動と照らし合わせながら客観的に考察できていました。
<第2回:2023年10月>
「リフレクション」をテーマとして実施いたしました。
リフレクションワークにはKPT法を用い、『フィジカル』『スキル』『メンタル』『タクティカル』『ライフ』といった5つの観点、
{試合前1ヶ月}{試合 前1週間}{試合前日}{試合}といった4つの時間軸、
《チーム》《個人》といった2つの次元から、KEEP(よかったこと)、PROBLEM(課題)、TRY(今後やるべきこと)を整理しました。
最終的にはチームのKEEP、PROBLEM、TRYを全体で共有し、今後の競技力向上に向けて良いリフレクションができたように思われます。
選手からの感想のひとつを次にお示しします。
「様々な視点からリフレクションを実施することで自分やチームのいい点、課題点が整理された。これまで目の前のことを必死にやるだけであったが、これからはどのタイミングでどんなことをしたのか、それが良かったのか、そうでなかったのかを自分で考えていきたい。」
<第3回:2024年3月>
「目標設定」をテーマとして実施いたしました。
内発的動機づけや自己決定理論など、目標設定に関する理論を説明した後に、長期目標から日々の目標までを逆算し、
スモールステップ化をはかるワークに取り組んでもらいました。
選手からの感想のひとつを次にお示しします。
「目標設定の8か条を参考にワークに取り組めた。長期的な目標から逆算して日々の目標を設定していくことで、今日やるべきことが見えるようになった。」
今回はスポーツメンタルトレーニングの実践例をお示ししました。
IPUスポーツ科学センターでは、学内の部活はもちろんのことながら、上記の実践例のように、地域にも足を運んで科学サポートを実施しています。