皆さんは、試合当日の大事な場面で緊張して「あがってしまう」経験をしたことがありますか。
おそらくほとんどの人がそういった経験をしているのではないでしょうか。
今回は、この「あがり」について理解し、どう対処したらよいかをみていきます。
①あがりのメカニズムを知る
「あがり」とは、過度な精神的・身体的な覚醒状態が、パフォーマンスの低下を引き起こすものです。
これは、プレッシャーを感じる状況で、心身が「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」の防衛反応を起こすことが原因と考えられています。
具体的には、「気持ちを高ぶらせ、体に力が入り、心拍数を上げ、敵と戦う、または逃げる準備をする」ということになります。
生物学的にみて自然な反応と言えます。
②緊張がパフォーマンスに与える影響
緊張がパフォーマンスに与える影響は、緊張の度合いによって大きく異なります。
緊張や興奮の強さが高すぎても低すぎてもパフォーマンスは低下します(逆U字仮説)。
見方を変えると、適度の緊張がよいパフォーマンスには必要となり、
「緊張がすべて悪ではない」と捉えられます。
③「あがり」対策まず「あがり」に対して、考え方を変えることです。
上記に掲げたように、自分だけではなく誰でも起こる自然な反応で、
ある程度の緊張は必要ということを認識することです。
この考え方によって肩の荷を少し下ろしましょう。その上でさらにリラックスできる方法を身につけることが必要です。
ここでは「暗示呼吸」について紹介します。
深呼吸などの呼吸法の重要性は一般に知られています。
吐く息を長くすることで、自律神経の副交感神経が優位に働き、気持ちが沈静化してきます。その呼吸に暗示を入れます。
例えば、息を吐く時に「余分な緊張が抜けていく」と唱え、息を吸う時に「自信が体に入ってくる」と心の中で唱えます。
言葉は自分に合ったものを考えてください。これを継続的に練習すればきっとあなたの力になるはずです。
環太平洋大学では、スポーツ心理学に関する授業の中で、このリラクセーション技法についてさらに詳しく学べます。
是非、緊張を力に変えてパフォーマンス発揮に挑みましょう!
(記事担当:佐々木史之)